KiCADから面実装クリーム半田マスクを作成する方法

面実装部品がそれなりの数あるときに、すべて手半田をするのは至難の業ですよね。

なので基本的には基板発注時にガーバーファイルからメタルマスクも同時に発注するのが無難です。でも基板の設計によっては、手作業でなんとかなりそうだけど、ICのピッチを考えると必ずブリッジが発生しそうだし・・・とリフローと手半田の中間になるような設計と作業が想定できるとき悩みませんか? 面実装品点数は少ないけど、10枚作らないといけないとか。

そんな時に、レーザー加工機さえあればメタルマスク代用品を自分で作る手順です。昨今、レーザー加工機は個人でも2万円程度で購入できますし、街のファブ施設で時間貸ししてくれる施設も多くありますので、一度利用すると便利さがわかります。

いくつかのサイトに方法は載っていますが、Inkspaceを間にかましたりいろいろ手順があるので、それらをすっ飛ばして一番簡単にやってしまいたいという方向けです。

KiCADの場合、メニューから「ファイル」「製造出力」で「ガーバー」を選択します。

出力フォーマットは 「DXF」が一番多くのレーザー加工機で受け入れ可能なファイル形式ではないかと思います。

ポイントは、レイヤーを「F.Mask」だけにして、エクスポート単位を必ず「㎜」にしないと恐らくレーザー加工機アプリで正しい縮尺にならないと思います。

生成されたファイルをレーザー加工制御アプリで読み込めば、マスクデータがすべてでてきてしまいます。そこで外部のツールなどは使わずに、レーザー加工制御アプリの簡易エディタで不必要なアキシャル品やラジアル品などのマスクデータを消去します。

図は不必要なマスクデータを選択して消去している様子です。

あとはレーザー加工のパワーなどのパラメータを適当にいれて加工スタートするだけです。カットか彫刻かどちらが綺麗にできるかは、試してみないと分からない面はあります。またこのパラメータは、レーザーパワーとか、速度とかなので、こちらもひとまずはやってみるしかない所がちょっと難点といえば難点です。

ここでは40W出力のレーザー加工機を使って、名刺カードに加工をしてみました。カットのモードでパワー30%、速度30mm/Secです。

名刺カードはエレコムの紙厚0.23㎜のものですが、これもいろいろ試してみてクリーム半田の乗りを確認するしかないですが、まあ適当な分量が塗布できれば普通は問題なくリフロー、もしくは半田ごてでの加熱で仕上げ出来ると思います。綺麗に仕上げるにはフラックスをたっぷり使う事と、後でエタノールや基板洗浄液で綺麗にふき取ることでしょうか。